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チベット観光・ヤルツァンポ大峡谷・雅魯蔵布大峡谷

チベットの林芝地区にあるヤルツァンポ(雅魯蔵布大峡谷)は中国でTOP1位の大峡谷、最も美しいグランドキャニオンです。雅魯蔵布大峡谷の北は米林県大渡卡村(海抜2880メートル)から、南は墨脱県巴昔卡村(海抜115メートル)まで、長さ504.9キロ、最奥部は6009メートルに達し、平均海抜は3000メートル以上で、世界一番深いグランドキャニオンです。ヤルツァンポは、インド洋の温暖気流の影響を受け非常に水量が多く、大峡谷南部の降水量は年間4000ミリにも達し、上流側の北部も年間1500~2000ミリに達します。原始林に覆われ、世界で最も生物多様で豊かな峡谷を形成しています。峡谷地区は氷河、絶壁、土石斜面と河が交錯し、高山氷雪帯から低河谷雨林などの垂直自然帯まで、自然動植物の種は極めて豊富で、「地球上最後の秘境」とも言えます。

ナンガルバ峰は林芝地区で最も高い山で、標高は7782メートルです。年中雪が積もり、雲や霧が立ち込め、あまり見えないので、「羞女峰」とも呼ばれています。峡谷の深い山奥の地域は今でも誰も足を踏み入れておらず、「地球上最後の秘境」とも言われています。険しい峰がそびえ、登るのが難しく、世界の登山界に注目されています。ナンガルバ峰を囲むのは、世界的に有名なヤルツァンポ河の大回湾(大峡曲と略称)です。高山峡谷は、平均相対落差が5000メートル以上あり、世界で最も地形の変化が激しい場所の一つを構成しています。ナンガルバ峰には、その巨大な三角形の峰体は年中雪が積もり、雲が立ち込め、簡単に正体を現さないことから、「羞女峰」とも呼ばれています。

ヤルツァンポ大峡谷を流れるヤルツァンポ川(ブラマプトラ川)はヒマラヤ北部を源流とし、ベンガル湾へとつながる高低差世界一の河川で、チベット高原の流域だけでも9箇所もの断崖で分断された険しい山岳地帯を流れ下っています。そのため大峡谷一帯は湿度が高く、うっそうとした森林が生い茂り、その過酷な地理的条件ゆえに、ごく一部の住民を除いて足を踏み入れる者のいない場所でした。現在もなおヤルツァンポ大峡谷はチベットで最も神秘的な秘境であり、世界的にも稀有な自然環境に多種多様の原生動植物が生息しています。

ヤルツァンポ大峡谷のスケールの大きは、大峡谷として世界的に知られたアメリカアリゾナ州のグランドキャニオンと比較してみるとイメージしやすいかもしれません。全長は50キロメートルほどしか変わりませんが、断崖部分の平均深さは約2倍、最深部の高低差は3倍を超えます。しかし雨が極端に少なく、荒涼とした荒々しい風景が広がるグランドキャニオンと、みずみずしく生命感溢れる大自然の絶景が広がるヤルツァンポ大峡谷は全く対極の魅力を持っているといえます。

ヤルツァンポ大峡谷の生態系は、内陸でありながら数千万年もの間、険しい断崖によって隔絶されてきた、世界でも特異な環境に置かれてきたため、ガラパゴスやマダガスカルに匹敵する固有種生物の宝庫になっています。近年ようやくこの秘境を訪れることが可能となり、雪山、氷河、草原、滝、原生林などの雄大な大自然が競演する、唯一無二の絶景と、古くからこの地で暮らすロッパ族、メンバ族などの少数民族の素朴な文化に触れることができるようになりました。ヤルツァンポ大峡谷の大半は今も依然として未開発の状態であり、安全に観光客が立ち入れる場所は限定されておりますが、充分にご満足いただけるほどの魅力に満ちています。
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